受注の知らせが届いたのは2020年、春。新型コロナウイルスの計り知れぬ正体に誰もが恐れていた、そんな春だった。「自社技術の全国展開」にかねてより注力していた東邦ガステクノ。今回のプロジェクトは、遠隔監視制御システムを東邦ガス以外で受注した初めての大規模案件であった。当然、社内からの期待は高い。2023年の納品を目指し、4ヵ年の大規模案件が始まった。
ウイルスが猛威を振るう中、Y.S.は粛々と計画を進めた。コスト調整・部品の調達管理・進行管理・現場の品質管理。プロジェクトに付随する全ての判断が彼に任せられていた。札幌市、函館市をはじめ北海道の9市へガスを供給している北海道ガス。監視システムは各地に点在しており、その数320局にものぼる。Y.S.は2020年に函館市、2021年に北見地区・千歳地区・小樽地区、残りの2年で札幌地区を施工して回る計画を立てた。各局にはガバナの動きを監視するシステム(制御盤)が内蔵されている。システムの経年劣化による不具合を防ぐため、自社で設計した新品の制御盤に交換することと、圧力計まわりの電気工事が今回のミッションだ。
前職の東邦ガスエンジニアリング時代を含めると10年以上のキャリアを持つY.S.だが、そんな彼にとってもこれだけの局数と4ヵ年という長期間の案件は初めてに等しいという。
電気通信
供給技術部
2010年入社